秋の夜長には

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たまには本でも読んでみたら?

と思うのです。(読書家の皆さんすみません)

 

 

中間テストと期末テストの間、過ごしやすい季節、本を読むには最適な時節といえるかもしれません。(受験生の皆さんには難しいことかもしれませんが)

 

 

 

国語の教科書でも良いのです。本でも読んで物思いに耽るのも悪くはないと、たまには思うのです。

 

 

 

あまり関係のないものかもしれませんが、日々勉強を頑張る学生の皆さんへ、僕の好きな小説から、僕の好きな一節を

 

 

「踊るんだよ」
「音楽の鳴っている間はとにかく踊り続けるんだ。おいらの言っていることはわかるかい?踊るんだ。踊り続けるんだ何故踊るかなんて考えちゃいけない。意味なんてことは考えちゃいけない。意味なんてもともとないんだ。そんなこと考えだしたら足が停まる。一度足が停まったら、もうおいらには何ともしてあげられなくなってしまう。あんたの繋がりはもう何もなくなってしまう。永遠になくなってしまうんだよ。そうするとあんたはこっちの世界の中でしか生きていけなくなってしまう。どんどんこっちの世界に引き込まれてしまうんだ。だから足を停めちゃいけない。どれだけ馬鹿馬鹿しく思えても、そんなこと気にしちゃいけない。きちんとステップを踏んで踊り続けるんだよ。そして固まってしまったものを少しずつでもいいからほぐしていくんだよ。まだ手遅れになっていないものもあるはずだ。使えるものは全部使うんだよ。ベストを尽くすんだよ。怖がることは何もない。あんたはたしかに疲れている。疲れて、脅えている。誰にでもそういう時がある。何もかもが間違っているように感じられるんだ。だから足が停まってしまう」
「でも踊るしかないんだよ」

 

 

村上春樹著 『ダンス・ダンス・ダンス』 上 P.164 より

 

 

高校生の頃読んだこの小説、この一節、これからの人生への不安と奇妙な高揚感と簡潔できれいな言葉に心を動かされた気がしました。

 

 

 

 

ベストを尽くすんだょ。

貝沢校 アオキ