さよならを言う日

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先日、祖母が亡くなりました。

 

96歳でした。

 

長いのか、短いのかは分かりません。

 

悲しいことではありますが、安らかな顔をしていたのが救いでした。

 

 

これで母方、父方双方の祖父母がこの世からいなくなってしまいました。

 

 

そのことを考えると胸が締め付けられるような、心の中を風が通り抜けるようなさびしい気持ちがします。

 

 

しかし、それと同時に優しく切ない温かい気持ちもします。

 

 

それは私が祖父母から返しきれない愛情を、思い出を貰ったからです。

 

 

 

両親曰く、幼いころ頃私は天真爛漫で物おじしない子どもだったようです。

 

 

 

 

ですから、祖父母と旅行に行った際、祖父がスープをズズッと音を立てながら飲んでいるのを見て

 

 

「おじいちゃん、スープは音をたてて飲んじゃだめなんだよ」

 

 

 

と皆の前ではっきりと言ってしまったのでした。

 

 

 

 

その時みんなでアハハと笑ったのを覚えています。

 

 

 

他にも戦隊シリーズのおもちゃが欲しくて、買ってきてとねだったのですが、祖父は見当違いのロボットを買ってきてしまって

 

 

 

「ぜんぜん違うよ!おじいちゃん」

 

 

と祖父母と3人で笑ったのも覚えています。

 

 

 

後から聞いたのですが母曰く、祖父は気難しく、あまり笑わない人でした。

 

 

気安く冗談を言ったり、言いたい事を言ったりする人はいなかったようです。

 

 

 

ですから私の存在はとても貴重なものだったのだと祖父の死後、聞かされました。

 

 

「けいたみたいな存在はおじいちゃんにとって初めてだったんだよ。だから保育園の迎えをいつも買って出てくれたんだよ。いつも言ってたよ。『けいたはおもしれえなあ』」って」

 

 

 

思い出を辿っていくと私には数えきれない思い出があります。また打算のない愛情もいっぱい受けてきました。

 

 

私は強くもなく、立派な人間でもありません。

 

 

しかし天に召されるその日まで、天国の祖父母に恥じないような、

 

せめて

 

 

『けいたはしょうがねえな』と笑ってもらえるよう精いっぱい生きていきたい。

 

 

貰った愛情を他の人に返せるように生きていきたい。

 

 

 

そう思います。

 

 

 

 

 

 

ステップ個別指導学院  総社・吉岡校   小西