年々生徒との年齢が離れていきます。
私が中高生だった頃、未熟だった頃(今もですが)のことはすっかり忘れて、
先生面して注意、説教している自分を客観的にみると恥ずかしさがこみ上げてきます。
しかし、言わずにはいられないのです。
私が人に自慢できることと言えば人よりも多くの経験、失敗をしてきたことでしょうか。
私は群馬に生まれたものの学生時代は京都で過ごしました。
同じ日本とは言え、言葉、文化の違いに最後までなじめなかった学生時代でした。
大学卒業後は定職にも就かず東京をフラフラしていました。
外から見ればキラキラしている東京が、中から見れば大したことはなく、一人で食いぶちを稼ぐことの大変さを知りました。
人知れず流した涙もありました。
もっと楽な道、エリートコースを歩めたはずだと後悔と闘う夜もありました。
しかし群馬に帰って来て、ある歌に出会いました。
それは
『人の生き方に良い悪いはない』
とういうものです。
この言葉に私は随分と励まされました。
そして8年ほど前に塾講師をはじめ今に至ります。
塾講師を始める際、自らに誓った事がありました。
『色々な経験をしたけれど、自分と同じ失敗をしない様に生徒には注意していこう』
『今までたくさんの人に迷惑をかけてきたのだから少しでも人に喜んでもらおう』
『人の気持ちを大切にできるような生徒を育てていこう』
難しいことですがそう思ったのです。
子どもというのは私にとって、いや大人にとって真夏の太陽のようなもので、
可能性にあふれ熱く輝いています。
入試が終わりもう少しでみな新たな道に進んでいきます。
「もっと勉強しておけば良かった」
と多くの人が思っていることでしょう。
しかしその後悔に決してとらわれないでください。
これからの道はこれから切り拓いていくものなのだから。
最後に私の好きな小説の一節を引用させていただき駄文を終りにいたします。
小さき者よ。不幸なそして同時に幸福なお前たちの父と母との祝福を胸に秘めて人の世の旅に登れ。前途は遠い。そして暗い。然し恐れてはならぬ。恐れない者の前に道は開ける。
行け。勇んで。小さき者よ。
『小さき者へ、生まれいずる悩み』
有島武郎 岩波文庫
ステップ個別指導学院総社・吉岡校 小西